浅見北斗(Have a Nice Day!)

「死神」を初めて聴いたのは野外フェスでの大森靖子のライブだったんだけど、ラストに演奏されたその曲はのどかな風景に全くそぐわなくて、生きていることの不安や苦しみや強迫観念と、世界への愛や憎しみが物凄いエネルギーでスパイラルしてるようなすごい曲だなあと思ってシンプルにシビれまくってしまったね。
生きてるってことはつねに死と隣り合っていて、ときに死を感じることが生きていることを強く感じさせる瞬間でもある。サビの中で「人は死へと溢れる」と歌われているが、その手前は「川は海へとひろがる」 と歌われていて 、“川”は時代や人の流れのメタファーで、“海”は命や母性のメタファーだとして、そういう意味で死神と名付けられているこの曲を逆説的なカタチではあるんだけど生命の賛歌だと思ってオレはドライブのときに聴いたりしてるんだよ。アンセム感あるダイナミックな展開も、「その全てが愛に基づいて蠢いている」ってパンチラインもウルトラ強烈。
あとジャケもめちゃくちゃ最高。